下水管の敷設工事において、都市部などで開削ができない場合には、掘削を伴わない非開削工法(ひかいさくこうほう)が用いられます。
非開削工法の主たる工法としては、「推進工法(すいしんこうほう)」と「シールド工法」があります。
この2つの工法にはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では推進工法とシールド工法の違いを比較して説明していきます。
推進工法(すいしんこうほう)とは?
推進工法とは、立坑(たてこう)と呼ばれる縦穴から、下水道管を横方向に押し込む工法です。
まず、トンネルを掘る機械や管などの材料を入れるための縦穴の空間、立坑をつくります。
立坑は基本的に2箇所、管を設置するスタート地点に発進立坑(はっしんたてこう)、ゴール地点に到達立坑(とうたつたてこう)を設けます。
発進立坑にジャッキを設置し、管の先端に刃を取り付け、油圧ジャッキで管を横方向に地中へ押し込みます。
押し込むことで発生土を掻き出しながら、管を追加で押し込みます。
これを何度も繰り返し到達立坑まで管を押し込んでいくことで、管を敷設していきます。
推進工法の中にも様々な工法がありますが、一般的に施工延長は50〜100m以上、管の大きさ(内径)は150mm〜3000mm以上が適用されます。
推進工法の解説動画はこちらです↓
シールド工法とは?
シールド工法とは、シールドマシンと呼ばれる筒形の掘削機を使って、地中を掘り進めながら管を構築する工法です。
推進工法と同様に、発進立坑と到達立坑を設けます。
発進立坑から油圧ジャッキで直接前進させて、掘られたトンネル内で、前方からセグメントと呼ばれる壁枠を組み立てて管を構築していきます。
シールド候補の中にも様々な工法がありますが、一般的に施工延長は2〜3km以上、管の大きさ(内径)は1000mm以上が適用されます。
シールド工法のわかりやすい動画はこちらです↓
推進工法とシールド工法の違い
推進工法とシールド工法、2つの工法の違いを整理します。
施工方法や適用する一般的な管の大きさ、延長に違いがあります。
施工方法
•推進工法:管の先端に刃を取り付け、油圧ジャッキで管を横方向に地中へ押し込む工法
•シールド工法:掘削機を使って地中を掘り進めながら、セグメントにより管を構築する工法
施工延長
•推進工法:50〜100m以上
•シールド工法:2〜3km以上
管の大きさ
•推進工法:150mm〜3000mm以上
•シールド工法:1000mm以上
シールド工法の方が比較的大規模な工事で使われます。
地形・土質条件などから総合的に判断し、どちらの工法を適用するか検討していくとなります。
まとめ
今回は非開削工法の推進工法とシールド工法の違いについて説明しました。
推進工法とシールド工法のなかでも、さらに細く後方が分類がされています。
さらに非開削工法には、推進工法とシールド工法以外にも様々な工法があります。
今後より細かい工法について説明できればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。