砂防河川とは?普通の河川との違いをわかりやすく解説

「砂防河川」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。普段目にする川は単に「河川」として認識していることが多いですが、その上流部や人里離れた山奥の渓流には、土砂災害から暮らしを守るために特別な管理が行われている河川があります。それが一般に「砂防河川」と呼ばれるものです。

ただし、この「砂防河川」という言葉は法律上の正式な用語ではなく、行政説明や技術者間などで用いられる通称です。「砂防法」に基づき指定された砂防指定地内を流れる河川や渓流を指しています。本記事では、砂防河川の位置づけや一般的な河川との違い、確認方法まで、わかりやすく解説します。


砂防河川とは?

「砂防河川」という言葉は、砂防法など具体的に明記されているわけではありません。
砂防法には「砂防指定地」という言葉があります。砂防指定地とは、砂防法第2条に基づき、砂防設備を要する土地又は治水上砂防のために一定の行為を禁止し若しくは制限するべき土地として国土交通大臣が指定した土地の区域です。
「砂防河川」という呼び方は、現場や資料で便宜的に使われるもので、「砂防指定地内を流れる河川・渓流」が正確な表現です。

砂防指定地に指定される主な区域

  1. 土砂の発生や流れが多い場所
    川や渓流の侵食、山の斜面崩れなどで土砂が大量に発生するまたは恐れがある区域。

  2. 災害で土砂がたまった場所
    台風や大雨、地震などで土砂が大量に流れ込み、砂防施設が必要とされる区域。

🎥参考映像
熱海市で発生した土石流に関するニュースです。砂防指定地の規制が地域の安全に与える影響を理解するのに最適です。



なぜ砂防指定地が必要なのか?

大雨や地震で山が崩れると、大量の土砂が下流に流れ込み、集落や道路、農地に甚大な被害を与えます。
この被害を未然に防ぐため、土砂災害の危険が高い場所を砂防指定地として指定し、土地利用や工事に制限をかけ、必要に応じて施設整備を行います。


砂防指定地内の主な対策施設

  • 砂防堰堤(砂防ダム):土砂をせき止める構造物

  • 護岸工事:川岸を安定させる工事

  • 床固工(とこがためこう):河床の浸食を防ぐための構造物

これらはすべて、土砂の流出を抑え、下流の安全を守るために設置されます。

🎥参考映像
砂防堰堤群がどのような工程で整備されるかを時系列で学べます。

砂防河川と一般的な河川の違い

砂防河川(通称)と一般的な河川は、目的や管理の根拠法が異なります。ここでいう砂防河川とは、砂防法に基づき指定された砂防指定地内を流れる河川や渓流を指します。一般的な河川は、一級河川・二級河川・準用河川・普通河川など、日常的に「川」と呼ばれるもの全般です。

法律上の位置づけ

項目 砂防河川(通称) 一般的な河川
根拠法 砂防法 河川法(※普通河川は適用外)
主な対象 上流域の土砂災害防止 水害防止・利水・環境保全
主な管理者 土地所有者 国土交通省・都道府県・市町村・土地所有者

目的の違い

  • 砂防河川(砂防指定地内)

    • 大雨や地震などによる土砂流出や山腹崩壊を防ぐ

    • 砂防堰堤(砂防ダム)、床固工、護岸工などで土砂を制御

    • 土地の掘削や建築は都道府県知事の許可制

  • 一般的な河川

    • 洪水や氾濫の防止

    • 上水道・農業用水・発電などの水利用

    • 河川敷の利用や環境保全

山間部や上流域に位置する砂防河川は、普段は水量が少なく目立たない存在ですが、土砂災害の発生時には土砂の流出を防ぐという重要な役割を担っています。

一方で、私たちが普段よく目にする一般的な河川は、主に平野部や市街地を流れており、人々の生活を守るために堤防や河川敷、橋梁などが整備されています。

土地所有者の役割(砂防指定地の場合)

砂防指定地に指定されても、土地の所有権は移転せず、日常的な管理責任は土地所有者に残ります
行政と所有者の役割は次のように分かれます。

土地所有者の主な役割

  • 草刈りやごみの片付けなど日常的な維持管理

  • 軽微な補修や清掃

  • 建築・掘削・伐採など、土砂災害リスクのある行為は都道府県知事の許可を受けること

行政(都道府県や国)の役割

  • 砂防施設(砂防堰堤・護岸工・床固工など)の設置・維持管理

  • 土地利用行為の許可・監督

  • 災害発生時の応急対策や復旧

ポイント

  • 所有者が日常的な管理を行い、災害防止のための大規模施設は行政が管理する二重構造

  • 所有者は法律上の規制を守りつつ、地域の安全に配慮した管理が求められる

砂防指定地(砂防河川)の確認方法

自分の住む地域や所有地が砂防指定地に含まれているかは、次の方法で確認できます。

  1. 自治体公式サイトの砂防マップを参照
    → 「〇〇県 砂防指定地」などで検索
  2. 不動産・建築業者を通じて確認


まとめ

  • 「砂防河川」という言葉は法律上の正式用語ではなく通称

  • 正式には砂防法に基づき指定された砂防指定地内の河川や渓流を指す

  • 砂防法は上流の土砂災害防止、河川法は下流の水害防止を目的としている

  • 土砂災害から地域を守る重要な制度と施設が背景にある

こうした制度は目立たない存在ですが、日々私たちの暮らしを守っています。この記事をきっかけに、身近な防災や土地利用のルールに目を向けてみてください。

🎥参考映像
一般の見学ツアー視点で、多様な砂防ダムの形状・役割を楽しく俯瞰できます。記事の最後に置くことで余韻を残しつつ理解を補強。

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