この記事では、
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レディーミクストコンクリートの定義
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生コン(生コンクリート)との違い
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生コンの品質がどう決まるのか(強度・スランプなど)
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種類(普通・軽量・舗装・高強度)
などを丁寧に解説していきます。
もくじ
レディーミクストコンクリートとは?
レディーミクストコンクリート(Ready Mixed Concrete)とは、直訳すると**「あらかじめ混ぜてある(練ってある)コンクリート」**という意味になります。簡単にいうと、
コンクリート工場で材料を練り混ぜて作り、ミキサー車で工事現場へ運ぶコンクリート
のことです。
昔は、現場にセメントや砂利を持ち込み、現場で練ってコンクリートを作ることが一般的でした。
しかし現在では多くの場合、工場で練ったコンクリートを、ミキサー車で必要な量だけ現場へ届ける
という方式が主流です。
この「工場で作って運ぶ」方式のコンクリートを、正式にはレディーミクストコンクリートと呼びます。レディーミクストコンクリートの反対の考え方としては、材料を工事現場で練り混ぜて作る「現場練りコンクリート(現場練り)」**があります。現在は品質管理や施工効率の面からレディーミクストが主流ですが、工場が遠い地域や少量施工などでは現場練りが選ばれることもあります。
生コンとは?レディーミクストとの違いは?
「生コンクリート」と「レディーミクストコンクリート」は、基本的に同じ意味です。
「生(なま)」という言葉が入っているのは、
まだ固まっていない“フレッシュ”な状態のコンクリート
だからです。
つまり生コンは「固まったコンクリート」ではなく、工事現場に届いた時点ではドロドロしている材料です。
この“固まる前の状態”だからこそ、運搬にも施工にもルールがあり、品質管理が非常に重要になります。
3. JISでの定義
レディーミクストコンクリートは、JISの用語として整理されています。
ポイントを噛み砕くと、JISでの考え方はこうです。
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整備された設備を持つ工場で製造する
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荷卸し地点(現場)での品質を指定して購入できる
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フレッシュコンクリート(固まる前)である
一言で言えば、
「現場で適当に作る材料」ではなく「品質を指定して買える工業製品」
ということです。
ケーキで例えると、
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材料を買ってきて自分で作る → 現場練り
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工場(お店)で作られたものを買う → レディーミクスト(生コン)
というイメージが近いです。
生コン工場ができて何が変わった?
レディーミクストコンクリートが普及したことで、工事の品質とスピードは大きく変化しました。
昔は、
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材料の管理が難しい
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練り混ぜムラが起きやすい
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品質が現場任せになる
という課題がありました。
工場で練って運ぶ方式になったことで、
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設備と検査体制が整った状態で
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同じ品質のコンクリートを
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必要な量だけ安定供給できる
ようになったのです。
生コンはJIS A 5308に基づいて作られている
日本の生コンの代表的な規格が、
JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」
です。
もちろん、すべてがJIS品とは限りませんが、一般に流通している生コンの多くは、この規格に沿ったルールで製造・取引されています。
これにより、
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何をどう管理するか
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どんな設備が必要か
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どんな検査をするか
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どの性能を保証するか
といった基準が統一され、コンクリート構造物の信頼性が支えられています。
生コンの品質が安定する理由
「工場で作る」と聞くと当たり前のようですが、生コンの場合は特に重要です。
なぜなら、生コンの材料には
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セメント
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砂
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砂利
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水
という自然素材が多く含まれており、同じ材料でも
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砂の湿り具合
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骨材(砂利)の粒の偏り
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温度
などで状態が変化しやすいからです。
だからこそ工場では、
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原材料の受け入れ管理
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保管方法のルール
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製造時の計量と練り混ぜの管理
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出荷時点の品質確認
といった体制が整えられています。
参考動画 生コン工場での製造工程
「工場で練って運ぶ」と言われても、実際にどんな設備で作られているのかは想像しにくいですよね。
この動画では、生コン工場での製造工程がわかりやすく紹介されています。材料の計量から練混ぜまで流れで見られるので、レディーミクストコンクリートのイメージが一気に具体的になります。
https://www.youtube.com/watch?v=v5eGDkJ34Mw
生コンの価格はどう決まる?【基本は1m³単価】
生コンの価格は、基本的に
1m³(立方メートル)あたりいくら
で決まります。
1m³は、1m × 1m × 1m の箱を満タンにした量です。
たとえば、土間コンクリートで
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厚さ10cm(0.1m)
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面積10㎡
なら、
10㎡ × 0.1m = 1m³
となります。
つまり、駐車場1台分程度の土間工事では、数m³単位で注文することが多いです。
「基準価格」があり、条件によって増減する
生コンの価格は単純に「全部同じ」ではありません。
基本となる配合(基準配合)があり、
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強度が高い
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特別なセメントを使う
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流動性を上げる
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施工条件が厳しい
などの場合は、必要な材料・管理が増えるため、価格も変わります。
さらに、生コンは
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工場から現場までの距離
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地域の需要
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供給体制
にも左右されます。
そのため、全国どこでも同じ値段というわけではなく、地域差が出やすい材料です。
生コンの種類【JISでは4種類】
JIS A 5308では、レディーミクストコンクリートは主に4種類に区分されます。
① 普通コンクリート
一般的なコンクリート。
住宅基礎、擁壁、土間、道路構造物など幅広く使用されます。
② 軽量コンクリート
軽量骨材を用いて、コンクリート自体を軽くしたものです。
③ 舗装コンクリート
舗装向けに、耐摩耗性などを考慮したタイプです。
④ 高強度コンクリート
高い強度が必要な建築・構造物で使われます。
生コンの“呼び方”には意味がある(強度・スランプ等)
生コンは「ただの生コン」ではなく、性能を指定して取引されます。
一般の方が押さえておくべき代表例は次の通りです。
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呼び強度
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スランプ(柔らかさ)
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粗骨材最大寸法(砂利の最大サイズ)
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空気量
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塩化物含有量
ここから先は専門的に感じるかもしれませんが、実は「生コン=品質が読める材料」であることがよく分かる部分です。
生コンで重要な品質項目
① 呼び強度(きょうど)
生コンには「このくらいの強さが出ます」という基準があります。
呼び強度は、一般に
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18
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21
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24
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27
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30…
などの数値で表され、単位は N/mm² です。
強度が必要な構造物ほど、呼び強度は高くなります。
② スランプ(柔らかさ)
スランプは、コンクリートの柔らかさ(流動性)を表します。
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高い → 柔らかい(流れやすい)
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低い → 硬い(形を保つ)
柔らかい方が作業はしやすいのですが、水が多くなると強度や耐久性に影響するため、適切な範囲で管理されます。
※なお、近年は単純に水を増やすのではなく、**混和剤(減水剤など)**によって流動性を調整することも多く、性能と施工性のバランスが取られるようになっています。
参考動画 スランプ試験(柔らかさを数値で確認する)
スランプは、生コンの「柔らかさ(流動性)」を示す代表的な試験です。
文章だけだとピンとこない方も多いので、実際の試験の様子を動画で見てみると理解が一気に深まります。スランプコーンを引き抜いたときにどのように沈むのか、ぜひ確認してみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=1cBzP5ht8mU
③ 空気量
空気量は、コンクリートに含まれる小さな空気泡の割合です。
特に寒冷地では凍結融解(凍ったり溶けたり)を繰り返すため、適切な空気量の管理が耐久性につながります。
④ 塩化物含有量
塩化物が多いと、鉄筋コンクリートの場合は
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鉄筋がサビる
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ひび割れや剥離につながる
など重大なトラブルの原因になります。
だから生コンでは、塩化物の量も管理対象です。
参考動画 生コンの受入検査
生コンは「現場に届いたらそのまま打つ」材料ではありません。
受け入れ時点で状態をチェックし、品質を確認した上で使われます。
生コンは「現場に届いたらそのまま使う」材料ではなく、受け入れ時点で状態をチェックします。
この動画では、試料採取→スランプ→空気量→温度など、受入検査の流れがダイジェストでまとまっていて非常に分かりやすいです。生コンが“品質を管理して使う工業製品”であることが実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=ghE98LRzoHc
まとめ:レディーミクストコンクリートと生コンの違い
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レディーミクストコンクリート=生コン
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JISでは「工場で作り、現場での品質を指定して購入できるフレッシュコンクリート」と整理されている
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生コンはJIS A 5308に基づくルールで品質管理される