写真測量とレーザー測量の違いは?使い分けを比較して解説!

道路や橋、河川、宅地造成など、私たちの身の回りにある多くのインフラは、正確な測量をすることによって成り立っています。
普段はあまり意識することがありませんが、測量は「安全に造る」「正しく管理する」ために欠かせない重要な作業です。

近年、その測量の世界で特に注目されているのが、

  • 写真測量

  • レーザー測量(LiDAR)

という2つの技術です。

ニュースや工事現場で
「ドローンで写真測量しています」
「レーザー測量を行いました」
といった言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

ただし、

  • 写真測量とレーザー測量は何が違うのか

  • どちらの方が精度が高いのか

  • なぜ2つの方法を使い分ける必要があるのか

と聞かれると、はっきり説明できる人は意外と少ないはずです。

この記事では、専門知識がない一般の方でも理解できるように
写真測量とレーザー測量の違いを、仕組み・特徴・メリット・デメリット・使い分けまで含めて、分かりやすく解説します。


そもそも「測量」とは何か

測量とは、簡単に言えば、

土地や構造物の位置・形・高さを正確に測ること

です。

測量によって得られたデータは、次のような場面で活用されます。

  • 道路や建物の設計

  • 工事が設計どおり施工されているかの確認

  • 災害後の地形変化の把握

  • 地図や3Dモデルの作成

かつては、人が現地に入り、三脚を立てて角度や距離を測る「地上測量」が主流でした。
しかし現在では、ドローンや航空機を使い、空から広範囲を一度に測る測量方法が一般的になっています。

その代表的な技術が、写真測量とレーザー測量です。


写真測量とは?

写真測量の基本的な仕組み

写真測量とは、

写真(画像)を使って、物の位置や形を立体的に測る技術

です。

ドローンや航空機で地面や構造物を撮影し、
その重なり合った多数の写真をコンピュータで解析することで、地形や構造物を3Dデータとして再現します。

1枚の写真だけで測るのではなく、
複数の写真のズレを利用して高さや形状を求める点が特徴です。
この仕組みは、人が左右の目で奥行きを感じ取るのとよく似ています。


写真測量でできること

写真測量によって、次のような成果物を作成できます。

  • オルソ画像(歪みを補正した地図のような写真)

  • 3D点群データ

  • 3Dモデル

  • 等高線図

  • 土量計算(盛土量・掘削量の算出)

特に、見た目が直感的に分かりやすい成果を作れる点が、写真測量の大きな特徴です。

参考動画 UAV写真測量《3次元点群データ作成》

ドローンを使って撮影した写真から3次元点群データを作成する過程を実例映像で紹介しています。写真測量の撮影からデータ処理までの流れを実際の映像で確認できるため、撮影方法や点群データの生成イメージがつかみやすくなっています。写真測量の具体的な活用例を知りたい方におすすめです。

写真測量のメリット

① 直感的に分かりやすい

写真がベースとなるため、
発注者や住民説明会など、専門知識のない人にも理解してもらいやすい成果になります。

② 比較的コストを抑えやすい

ドローンとカメラを使って実施できるため、
レーザー測量と比べると、導入や運用にかかるコストを抑えやすい傾向があります。

③ 色や模様まで再現できる

舗装の状態や建物の外観など、
色の情報を含めた3D表現が可能です。


写真測量のデメリット

① 草木に覆われた地面が苦手

写真は、カメラから見えているものしか記録できません。
そのため、森林や草むらでは、地面そのものの形状を正確に捉えにくくなります。

② 天候や光の影響を受けやすい

雨や霧、逆光、強い影などの条件では、
写真の品質が低下し、解析精度に影響することがあります。


レーザー測量(LiDAR)とは?

レーザー測量の基本的な仕組み

レーザー測量とは、

レーザー光を照射し、反射して戻ってくるまでの時間から距離を測る技術

です。

測量機器からレーザーを発射し、
地面や構造物に当たって戻ってくるまでの時間を計測します。

光は非常に速く進むため、
このわずかな時間差を利用することで、高精度な距離測定が可能になります。


レーザー測量の大きな特徴

レーザー測量の最大の特徴は、

植生の下にある地面を把握しやすいこと

です。

レーザー光は、木の葉や枝の隙間を通り抜け、
一部が地面まで到達します。
その結果、森林に覆われた場所でも、地形を把握できる可能性が高まります。


レーザー測量でできること

レーザー測量では、次のような成果が得られます。

  • 高密度な3D点群データ

  • 地盤面の標高データ

  • 樹木と地面を分離した地形モデル

  • 災害前後の地形変化の比較

特に、地形把握の正確さに優れている点が特徴です。

参考動画 UAVレーザ測量 山林点群動画

UAV にレーザ測量装置を搭載し、山林地帯で点群データを取得している様子を収めた実例映像です。レーザー測量の現場での機器の動きや、レーザー光によって得られるリアルな点群の様子を視覚的に確認できます。レーザー測量の仕組みやデータの特徴を具体的にイメージしたい方におすすめです。

レーザー測量のメリット

① 植生があっても測量しやすい

山間部や河川、砂防区域など、
自然条件が厳しい場所でも活用しやすい技術です。

② 高精度なデータが得られる

条件が整えば、数センチ程度の精度で地形を把握でき、
設計や解析にも利用できます。

③ 日照条件の影響を受けにくい

レーザーは自ら光を発するため、
太陽光の影響を受けにくく、安定した計測が可能です。
ただし、雨や濃霧などの気象条件によっては、品質が低下する場合があります。


レーザー測量のデメリット

① コストが高くなりやすい

機器が高価で、運用や解析にも専門的な知識が必要なため、
写真測量に比べて費用がかかる傾向があります。

② 見た目が分かりにくい

点群データは情報量が多く、
一般の方には直感的に理解しづらい場合があります。


写真測量とレーザー測量の違いを比較

項目 写真測量 レーザー測量
主な計測手段 写真(画像) レーザー光
得意分野 見た目・可視化 地形把握・精度
植生下の地形 苦手 得意
コスト 比較的低い 高い
分かりやすさ 非常に高い 専門的
主な用途 記録・説明・出来形 設計・解析・災害

どう使い分けるのが正解?

写真測量が向いているケース

  • 工事の状況を分かりやすく記録したい

  • 住民説明や報告資料に使いたい

  • 見通しの良い場所を測量したい

  • コストを抑えたい

レーザー測量が向いているケース

  • 山間部や森林地帯

  • 河川・砂防・治山工事

  • 正確な地盤高が必要な設計

  • 災害時の地形把握


実務では「併用」が増えている

近年の現場では、

写真測量とレーザー測量を組み合わせて使う

ケースが増えています。

地形の正確な把握にはレーザー測量、
見た目の分かりやすさや説明用途には写真測量、
というように、目的に応じて使い分けることが合理的です。


一般の人が知っておくと役立つポイント

この違いを知っておくことで、

  • 工事説明の内容が理解しやすくなる

  • 災害報道で使われる言葉が分かりやすくなる

  • なぜその測量方法が選ばれているのかが見えてくる

といったメリットがあります。


まとめ

  • 写真測量は、見えるものを分かりやすく記録・可視化する技術

  • レーザー測量は、見えにくい地形まで把握しやすい技術

  • どちらが優れているかではなく、目的に応じた使い分けが重要

  • 実務では両者を併用するケースが増えている

測量技術は、私たちの暮らしを支える重要な基盤です。
この記事を通して、写真測量とレーザー測量の違いが、より身近に感じられれば幸いです。


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