「コンクリートって、セメントのこと?」
「コンクリートはどうして固まるの?」
「強度って何を見ればいいの?」
家づくりや駐車場工事、道路工事のニュースなどでよく目にするコンクリート。でも、いざ説明しようとすると意外と難しく感じますよね。
この記事では、土木の専門知識がない一般の方でも理解できるように、**コンクリートの定義(意味)**から、種類・配合・強度までをまとめてやさしく解説します。
読み終えるころには「コンクリートの基本」がスッキリ整理できるはずです。
もくじ
コンクリートとは?
コンクリートとは一言でいうと、
砂や砂利などの粒(骨材)を、セメントの力で固めて作った人工の石
です。
つまり、コンクリートは「もともと固いもの」ではなく、最初はドロッとした状態(まだ固まっていない状態)で作られます。そして時間の経過とともに、しっかり固くなっていきます。
道路、橋、建物、ダム、下水道など…日本のインフラを支えている材料の代表格が、このコンクリートです。
コンクリートは何でできている?材料を知ると理解が進む
コンクリートは、主に次の材料で作られます。
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セメント
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水
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砂(細骨材)
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砂利(粗骨材)
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(必要に応じて)混和剤(薬剤)
この中でも重要なポイントは、
✅ セメント+水=セメントペースト
という部分です。
セメントペーストは「接着剤」のような役割をして、砂や砂利(骨材)を固めてひとつの塊にしてくれます。
一方で、砂や砂利(骨材)はコンクリートの「骨格」をつくる材料です。
この骨材+セメントペーストがセットになって、コンクリートになります。
| 材料 | 専門用語 | 役割(超かんたんに) | 具体例 |
|---|---|---|---|
| セメント | セメント | 固める力のもと(接着剤の原料) | 普通ポルトランドセメント など |
| 水 | 練混ぜ水 | セメントと反応して固める | 上水道水など |
| 砂 | 細骨材 | スキマを埋めて密にする | 川砂・砕砂 |
| 砂利 | 粗骨材 | 骨組み(強さ・体積の中心) | 砕石・砂利 |
| 混和剤 | 化学混和剤 | 性能を調整する薬 | AE剤、高性能減水剤 など |
| 混和材 | 混和材 | 性能・耐久性を補強する材料 | フライアッシュ、スラグ微粉末 など |
コンクリートが固まる仕組み(専門用語なしで説明)
「乾燥して固まる」と思われがちですが、実は少し違います。
コンクリートは
水が蒸発して固まるのではなく、セメントが水と反応して固まる
という仕組みです。
この反応は「水和(すいわ)」と呼ばれますが、難しく考えなくてOKです。
大切なのは、コンクリートは“乾かして固める”のではなく、“反応で固まる”ということ。
だからこそコンクリート施工では「水を抜かない」ことが重要になります。
ここで大きなポイントになるのが、次の項目で説明する**養生(ようじょう)**です。
コンクリートの種類とは?よく使われる代表タイプを紹介
コンクリートはひとくくりにされがちですが、実際は目的に合わせてさまざまな種類があります。ここでは一般の方が知っておくと役立つ代表例を紹介します。
① 普通コンクリート(いわゆる標準)
もっとも一般的で、道路・建物・構造物など幅広く使われます。
「普通」といっても強度や用途はさまざまで、配合を調整すれば多用途に対応できます。
② 高強度コンクリート
通常よりも高い強度が必要な場合に使われます。
例:
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高層建築
-
橋脚(きょうきゃく)
-
重要構造物
一般住宅ではあまり馴染みがありませんが、都市部の大きな建物ではよく使われています。
③ 軽量コンクリート
普通のコンクリートよりも軽く作ったタイプです。
特徴:
-
重さが軽い
-
建物への負担を減らせる
-
断熱性が高い場合もある
骨材(砂利)に軽い材料を使って作ります。
④ 透水コンクリート(雨水を通す)
最近、駐車場や歩道などで見かけることが増えてきました。
特徴:
-
水が地面にしみ込みやすい
-
水たまりができにくい
-
ヒートアイランド対策にもなる
ただし用途や施工条件によっては、目詰まりなどの注意点もあります。
⑤ 流動性コンクリート(やわらかい・流れやすい)
鉄筋が密集した場所など、施工しにくい部分では「流れやすいコンクリート」が役立ちます。
代表例:
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高流動コンクリート
-
自己充填コンクリート(締固め不要タイプ)
| 種類 | 特徴(ざっくり) | よく使う場所 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 普通コンクリート | 一般的な標準タイプ | 住宅基礎、擁壁、道路、構造物 | 目的により配合を調整する |
| 高強度コンクリート | 圧縮強度が高い | 高層建築、橋脚、重要構造物 | 材料・施工管理が厳しい |
| 軽量コンクリート | 普通より軽い | 建築部材、負担を減らしたい構造 | 強度や用途に制限がある |
| 透水コンクリート | 水を通す(排水性) | 歩道、駐車場、公園 | 目詰まり・凍結対策が必要 |
| 流動性コンクリート | 流れやすい(充填性が高い) | 鉄筋が密な場所、施工困難部 | 材料費が上がりやすい |
コンクリートの配合とは?重要ポイントをわかりやすく
ここからが「コンクリートの本質」に近い部分です。
コンクリートは材料を混ぜて作りますが、その割合(レシピ)が非常に重要です。
この材料の割合を
配合(はいごう)
と呼びます。
料理で例えるなら、
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水が多すぎるとベチャベチャ
-
水が少ないと固すぎる
のように、コンクリートも材料バランスで性質が大きく変わります。
配合で最重要なのは「水の量」
配合で特に大事なのは、実は
✅ 水の量
です。
水が多いとドロドロになって扱いやすいのですが、その代わりに
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強度が落ちる
-
ひび割れやすい
-
耐久性が落ちる
といったデメリットが出やすくなります。
逆に水が少ないと強くなりやすい反面、
-
硬くて施工しにくい
-
締固め不足で空洞が残りやすい
などの問題が起きることがあります。
水セメント比(W/C)とは?
コンクリートの強度を語る上で必ず出てくるのが、
水セメント比(W/C)
です。
これは簡単にいうと、
✅ セメントに対して水がどれくらい多いか
という割合です。
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水セメント比が小さい(=水が少ない)→ 強くなりやすい
-
水セメント比が大きい(=水が多い)→ 弱くなりやすい
コンクリート強度は「セメント量」よりも「水の多さ」が効いてくることが多いので、ここは非常に重要なポイントです。
| 配合・条件 | どう変わる? | 起きやすいメリット | 起きやすいデメリット |
|---|---|---|---|
| 水が多い(W/Cが大きい) | やわらかくなる | 施工しやすい | 強度低下、乾燥収縮増、耐久性低下 |
| 水が少ない(W/Cが小さい) | かたくなる | 強くなりやすい | 施工が難しい、締固め不足リスク |
| セメントが多い | ペースト量増 | 強度が出やすい場合も | 温度ひび割れ・コスト増の要因 |
| 減水剤を使う | 水を増やさず流動性UP | 強度確保しつつ施工性UP | 適量管理が必要 |
| 空気量(AE)を調整 | 泡で凍害に強くする | 耐久性UP | 空気が多すぎると強度低下 |
スランプ(柔らかさの目安)も覚えておくと便利
現場ではよく「スランプ」という言葉が出ます。
スランプとは
コンクリートの柔らかさ(流れやすさ)を表す数値
です。
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スランプが大きい → 柔らかい(流れやすい)
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スランプが小さい → 硬い(形を保つ)
柔らかすぎても硬すぎても問題が出るため、用途に合ったスランプが求められます。
コンクリートの強度とは?何を指しているの?
「コンクリートの強度」というと、基本的には
✅ 圧縮強度(押しつぶす力に耐える強さ)
を指します。
コンクリートは引っ張りには弱いものの、押しつぶす力には強い材料です。
強度の単位「N/mm²」ってなに?
コンクリート強度は
N/mm²(ニュートン毎平方ミリ)
で表されることが多いです。
例:
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18 N/mm²
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24 N/mm²
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30 N/mm²
数字が大きいほど強いコンクリートです。
(※実際の値は用途・設計条件などで変わります)
| 圧縮強度(N/mm²)目安 | ざっくりイメージ | よく見かける用途例 |
|---|---|---|
| 18 | 一般的(標準) | 土間・外構・小規模構造など |
| 21 | 標準〜やや高め | 住宅基礎などで採用されることも |
| 24 | やや高め | 構造物・基礎・擁壁など |
| 27 | 高め | 条件が厳しい構造物など |
| 30以上 | 高強度寄り | 橋脚・高層建築・重要構造物 |
強度はいつ出る?コンクリートは時間とともに強くなる
コンクリートは作った瞬間が一番弱く、時間とともに強度が上がっていきます。
よく基準になるのが
✅ 材齢28日(28日後)
です。
「28日でこの強度が出ているか?」が品質管理の基本指標になります。
強度を左右する要因まとめ(ここだけ押さえればOK)
コンクリート強度に影響する主な要因は次のとおりです。
① 水が多すぎる(W/Cが大きい)
水が多いほど扱いやすい反面、強度や耐久性が落ちやすくなります。
② きちんと締固めできていない
打設後の締固めが不十分だと
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空洞(ジャンカ)
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巣(す)
ができ、強度低下につながります。
③ 養生が悪い(乾燥・凍結)
コンクリートにとって養生は非常に重要です。
養生が悪いと、
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表面が乾いてひび割れ
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強度が出ない
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耐久性が落ちる
といった問題につながります。
参考動画 丈夫なコンクリート構造物をつくる秘訣は「養生」にあり?!
コンクリートの品質に大きく関わる「養生」の重要性を、現場目線でわかりやすく説明している動画です。コンクリートは打設した時点で完成ではなく、養生の良し悪しで強度や耐久性に差が出ます。施工後の管理が重要性が理解できます。
▶ https://www.youtube.com/watch?v=TgVVlvCR0A4
④ 温度が極端(冬・夏)
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冬:反応が遅くなる/凍結リスク
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夏:乾燥が早すぎる/温度ひび割れ
季節で施工管理が変わるのもコンクリートの特徴です。
まとめ
コンクリートは、セメント・水・砂・砂利(骨材)を混ぜて作る、インフラに欠かせない材料です。固まる仕組みは「乾燥」ではなく、セメントと水が反応する水和(すいわ)よるもの。つまり、施工後の扱い方次第で品質が大きく変わります。
コンクリートには、普通コンクリートだけでなく、高強度・軽量・透水・流動性など目的に応じた種類があります。そして性質を決めるカギは、材料の割合である配合です。特に重要なのが水の量で、水セメント比(W/C)が大きいほど施工しやすい反面、強度や耐久性が落ちやすくなります。
また、強度は主に圧縮強度(N/mm²)で表され、一般的に材齢28日の強度を基準に評価します。さらに、強度や耐久性は配合だけでなく、締固め・養生・温度管理によっても左右されます。
コンクリートは「ただ固い材料」ではなく、配合と施工管理で品質が決まる材料です。基本を押さえるだけでも、工事内容の理解や業者との打ち合わせがぐっとスムーズになります。