切梁と腹起しの違いとは?役割や構造を図解でわかりやすく解説!

工事現場を通りかかったとき、地面が大きく掘られ、鉄骨のような部材が何本も組まれているのを見たことはありませんか。
下水道工事や道路工事、ビル建設などでよく見かけるこの構造には、「切梁(きりばり)」「腹起し(はらおこし)」と呼ばれる重要な部材が使われています。

ただ、

  • 切梁と腹起しって何が違うの?

  • 名前は聞いたことがあるけど、役割がよくわからない

  • どちらも同じような部材に見える

と感じている方も多いと思います。

この記事では、土木の専門知識がない一般の方でも理解できるように

  • 切梁と腹起しの違い

  • それぞれの役割と構造

  • なぜ両方が必要なのか

を、できるだけ噛み砕いて解説します。


そもそも切梁・腹起しが使われるのはどんな工事?

切梁や腹起しは、主に地面を深く掘る工事で使われます。

代表的なのは次のような工事です。

  • 下水道工事

  • 雨水管や共同溝の工事

  • 地下駐車場や地下室の建設

  • ビルやマンションの基礎工事

これらの工事では、地面を掘ると**周囲の土が内側へ動こうとする力(土圧)**が働きます。
そのままにしておくと、土砂崩れが起きたり、周辺の道路や建物に影響が出たりする恐れがあります。

そこで使われるのが、**山留め(やまどめ)**と呼ばれる構造です。


山留めとは何かを簡単に説明すると

山留めとは、掘った地面の側面(土)を支えるための構造のことです。

イメージとしては、

  • 穴を掘った周囲に壁を作り

  • その壁が土の圧力で倒れないように

  • 内側からしっかり支える

この「内側から支える役割」を担うのが、切梁と腹起しです。


▶ 動画で山留め工事の全体像を確認

文章だけではイメージしにくい方は、実際の施工映像を見ると理解しやすくなります。

▶ 08_タイムラプスで撮影しました【切梁・腹起し設置工】

https://www.youtube.com/watch?v=MIPWD3nk-6I

切梁と腹起しが、工事現場でどのような順序で設置されていくのかを、タイムラプスで確認できる動画です。山留め工事全体の雰囲気をつかむのに役立ちます。


切梁と腹起しの違いを一言でいうと

まず結論から整理します。

  • 切梁:向かい合う壁同士を「突っ張って」支える部材

  • 腹起し:壁に沿って設置し、切梁の力を壁全体に伝える部材

つまり、
切梁は「突っ張る役」
腹起しは「力を分けて伝える役」

という関係です。


切梁とは何か?役割をやさしく解説

切梁は、掘削した穴の左右(または前後)の壁を結ぶように設置される部材です。

土の圧力は、掘った壁に向かって常に押し寄せてきます。
切梁は、その圧力に対して「これ以上内側に動くな」と反対側の壁に突っ張ることで抵抗します。

日常生活で例えるなら、家具の転倒防止に使う突っ張り棒のような存在です。


腹起しとは何か?役割をやさしく解説

腹起しは、掘削した壁に沿って横方向に設置される部材です。

切梁は大きな力を受ける部材ですが、その力を限られた範囲で壁に伝えると、

  • 壁の一部に力が集中しやすい

  • 変形や損傷が起こりやすくなる

といった問題が生じる可能性があります。

腹起しは、切梁から伝わる力を壁に沿って分散させる役割を持っています。


切梁と腹起しの構造的な違い

ここまでの内容を、比較表で整理します。

切梁と腹起しの違い比較表

項目 切梁(きりばり) 腹起し(はらおこし)
主な役割 向かい合う壁同士を突っ張る 切梁の力を壁全体に分散
設置位置 壁から壁へ渡す 壁に沿って設置
向き 壁をまたぐ方向 壁に沿う方向
土圧への対応 土圧に直接対抗 土圧を間接的に伝える
単独使用 条件によっては不安定 単独では機能しない
例えるなら 突っ張り棒 補強用の横木

▶ 図で理解を深めたい方はこちら

▶ 山留支保工施工手順/解体方法(土留め支保工)

https://www.youtube.com/watch?v=AGOP0L5WGCM


切梁と腹起しがどのように組み合わされ、山留めの支保工として機能しているかを、図と解説で確認できる動画です。比較表とあわせて見ると理解が深まります。


なぜ切梁だけではダメなのか?

切梁は強力な突っ張り材ですが、切梁だけで山留め全体を支えるのは適切とは言えません

理由は、力が限られた部分に集中しやすくなるためです。
腹起しを併用することで、力が分散され、山留め全体として安定した構造になります。


なぜ腹起しだけではダメなのか?

腹起しは力を分散して伝える部材であり、自ら突っ張る機能はありません
そのため、腹起しは切梁と組み合わせて使われることを前提とした部材です。


切梁と腹起しの違いまとめ

  • 切梁は、壁同士を突っ張って支える部材

  • 腹起しは、切梁の力を壁全体に分散して伝える部材

  • 役割は異なり、両者を組み合わせることで山留めは安全に機能する

普段はあまり意識されませんが、切梁と腹起しは、
工事現場の安全を陰で支えている重要な存在です。

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

Verified by MonsterInsights