ケーシングとは?土木工事で使うケーシング管や工法をやさしく解説!

土木工事や建設工事に関する記事やニュース、あるいは工事現場の看板や説明資料を見ていると、「ケーシング」という言葉をよく目にすることがあります。

しかし、

  • ケーシングって「管」のこと?

  • ケーシング工法とは何をする工事?

  • ボーリングや杭工事とも関係あるの?

といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

特に一般の方にとっては、「専門用語っぽい」「何となく難しそう」という印象が強く、意味を正確に理解する機会はあまりありません。

この記事では、**土木用語としての「ケーシング」**について、

  • 言葉の意味

  • ケーシング管との関係

  • ケーシングが使われる代表的な工事や工法

  • なぜケーシングが必要なのか

といった点を、専門知識がない方でも理解できるように、丁寧に解説します。
あわせて、実際の日本語施工動画を紹介し、文章だけでは分かりにくい部分を補足します。


ケーシングとは?土木用語としての基本的な意味

ケーシング(casing)の語源

「ケーシング(casing)」は英語で、
覆うもの・包むもの・外側の筒
といった意味を持つ言葉です。

土木分野でのケーシングの意味

土木工事において「ケーシング」とは、次のように理解すると分かりやすいでしょう。

掘削した穴の周囲を保護し、崩壊を防ぐために挿入する筒状の部材、またはそれを用いた状態

つまり、地面に穴を掘ったとき、その穴が崩れないように守るための筒を指します。


ケーシングとケーシング管の違いはある?

ここは、一般の方が最も混乱しやすいポイントです。

結論から言うと「ほぼ同じ意味」

土木工事の現場や技術資料では、

  • ケーシング

  • ケーシング管

は、ほぼ同じ意味で使われることが多い言葉です。

あえて区別するとしたら

厳密に言うと、次のような整理になります。

  • ケーシング管
    → 掘削孔を保護するために使用する「管材そのもの(実体)」

  • ケーシング
    → ケーシング管を使って孔を保護している状態や、その考え方を含めた総称

ただし、実務や一般向けの説明では、
「ケーシング=ケーシング管」
と理解しても差し支えありません。

本記事でも、特別な区別が必要な場面を除き、両者は同じ意味として扱っています


ケーシング管とは何か?

ケーシング管の役割

ケーシング管(=ケーシング)の主な役割は、次の3点です。

  1. 掘削孔の崩壊防止

  2. 地下水や土砂の流入防止

  3. 掘削孔の形状を保ち、施工精度を確保する

特に、軟弱地盤や地下水位が高い場所では、ケーシングがないと施工そのものが成立しない場合もあります。

材質

多くの場合、ケーシング管は**鋼製(鉄製)**です。
回転・圧入・引き抜きに耐えられる強度が求められるためです。


なぜケーシングが必要なのか?

地面の中は、見た目以上に不安定です。

  • 砂地

  • 粘土層

  • 地下水の影響

こうした条件では、穴を掘った直後から孔壁が崩れることも珍しくありません。

ケーシングを使わない場合、

  • 掘削孔の形が変わる

  • 周辺地盤に影響が出る

  • 杭や構造物が設計どおり施工できない

といった問題が起こります。

ケーシングは、安全性・品質・施工管理のすべてを支える存在と言えます。


ケーシングが使われる代表的な工事

① 杭工事(場所打ち杭)

ケーシングが最も多く使われるのが、場所打ちコンクリート杭工事です。

場所打ち杭では、

  1. 地面に穴を掘る

  2. 鉄筋かごを挿入する

  3. コンクリートを打設する

という工程を取りますが、掘削中の孔壁を安定させるためにケーシング管が使用されます

参考動画

場所打ち杭の施工現場を追った映像です。オールケーシング工法で ケーシング管を地中に挿入しながら掘削する様子 が実際の作業映像としてよく分かります。杭位置の精度確保や孔壁の安定化といったケーシングの役割を視覚的に理解するのに役立ちます


② ボーリング調査・立坑施工

地盤調査のボーリングや、立坑(縦穴)施工でもケーシングは使われます。

  • 表層が崩れやすい

  • 地下水が多い

といった条件では、調査孔や立坑を保護するためにケーシング管を挿入します。

参考動画

立坑(縦穴)施工における ケーシングの実際の使われ方を解説した映像 です。実際の現場機械や作業の様子を日本語で確認できるため、ケーシングが場面ごとにどう動くかの理解に役立ちます

ケーシング工法とは?

ケーシング工法の考え方

ケーシング工法とは、ケーシング管を使いながら掘削や施工を進める工法の総称です。

一般的な流れは次のとおりです。

  1. ケーシング管を圧入・回転させながら挿入

  2. 管内部を掘削

  3. 所定深度まで施工

  4. ケーシング管を引き抜く、または残置する

ケーシング管は抜く?残す?

一時ケーシング

多くの工事では、施工完了後にケーシング管を引き抜きます。
再利用できる点が特徴です。

残置ケーシング

一方で、

  • 周囲地盤への影響を抑えたい

  • 地下水対策が必要

といった場合には、**ケーシング管を地中に残す(残置ケーシング)**こともあります。


ケーシングと似た言葉との違い

  • 配管:水やガスなどを流す目的の管

  • スリーブ:構造物を貫通させるための管

  • ケーシング(ケーシング管):掘削孔を保護するための管

目的の違いを押さえておくと混乱しません。


まとめ

ケーシングとは、
掘削した穴を保護し、安全で正確な施工を行うための管(ケーシング管)およびその考え方を指します。

  • ケーシングとケーシング管は、実務上ほぼ同じ意味

  • ケーシング工法は、その管を使った施工方法

  • 普段は見えないが、工事品質を支える重要な技術

専門的な言葉ではありますが、役割は非常にシンプルで、土木工事の安全を守る縁の下の存在と言えるでしょう。

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