オールケーシング工法とは?仕組みやメリットを図解で解説!

橋や高架道路、大きな建物を安全に支えるためには、地面の奥深くにしっかりとした基礎をつくる必要があります。
その基礎工事の中で使われる代表的な工法のひとつが 「オールケーシング工法」 です。

ただ、一般の方にとっては、

  • 名前が難しそう

  • 何をしている工事なのか想像しにくい

  • 他の工法と何が違うのかわからない

と感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、土木の専門知識がない方でも理解できるように

  • オールケーシング工法とは何か

  • どんな仕組みで工事が進むのか

  • 施工手順はどうなっているのか

  • どんなメリット・デメリットがあるのか

を、できるだけ噛み砕いて解説します。
文章だけでなく、実際の施工映像(YouTube動画) も交えながら説明しますので、現場のイメージを持ちながら読み進めてみてください。


オールケーシング工法とは?|一言でいうと

オールケーシング工法とは、掘削する穴の周囲を「鋼製の筒(ケーシング管)」で全周にわたって支えながら掘り進める基礎工事の方法です。

簡単に言うと、

穴が崩れないように金属の筒を入れながら地面を掘り、
その中に鉄筋とコンクリートを入れて杭(くい)をつくる工法

というイメージになります。


そもそも「ケーシング管」とは?

オールケーシング工法を理解するうえで欠かせないのが ケーシング管 です。

ケーシング管の役割

ケーシング管とは、主に次のような役割を持つ 鋼製(鉄製)の筒 です。

  • 掘削中に土砂が崩れるのを防ぐ

  • 地下水が流れ込むのを抑えやすくする

  • 正確な位置・直径で杭をつくるための型枠になる

家庭で例えるなら、柔らかい地面に穴をあけるときに使う 「保護用の筒」 のような存在です。


「オールケーシング」という言葉の意味

「オール(all)」という言葉が付いているのは、

  • 掘削している深さすべてにおいて

  • 常にケーシング管が入った状態で

工事を進めるからです。

一部の区間だけケーシング管を使う工法もありますが、最初から最後まで全周をケーシング管で支え続けるのが、オールケーシング工法の大きな特徴です。


オールケーシング工法の仕組みを図解イメージで説明

ここでは、実際の工事の流れが 頭の中で図として思い浮かぶように 説明します。

イメージ①:地面に筒を立てる

まず、工事を行う位置に 太くて重い鋼製の筒(ケーシング管) を垂直に立てます。
この時点では、筒はまだ地面の上にある状態です。


イメージ②:筒を回しながら地面に押し込む

ケーシング管は、ただ押すだけでは地面に入りません。
専用の機械を使い、回転させながら少しずつ地面に押し込みます

  • 回転させる

  • 押し込む

  • 中の土を掘る

この作業を繰り返すことで、ケーシング管は徐々に地中へ入っていきます。


イメージ③:筒の中だけを掘る

重要なのは、掘削は必ずケーシング管の中だけで行う という点です。

外側の土はケーシング管によって支えられているため、

  • 土砂が崩れにくい

  • 地下水が流れ込みにくい状態をつくりやすい

という安定した状態を保ちやすくなります。


施工の様子を動画で確認

ここまでの流れは、文章だけでは少し想像しにくいかもしれません。
次の動画では、全回転式オールケーシング工法による実際の施工状況 を確認できます。

[YouTube動画]場所打杭|全回転式オールケーシング工法 施工実例


(※記事公開時は、ここに埋め込みコードを挿入してください)

ケーシング管を回転・圧入しながら地中に入れていく様子や掘削作業の流れを映像で見ることで、「現場で何が起きているのか」 をより具体的に理解できます。


オールケーシング工法の施工手順(流れ)

ここでは、施工手順を ステップごと に整理します。

① 施工位置の確認・準備

  • 杭の中心位置を正確に測量

  • 周囲の安全確認

  • 重機の据え付け

基礎工事では、最初の位置決めが非常に重要です。


② ケーシング管の建て込み

  • ケーシング管を垂直に設置

  • 傾きがないかを細かく確認

ここでのズレは、杭全体の品質に影響します。


③ 回転圧入・掘削

  • ケーシング管を回転させながら圧入

  • 中の土砂を掘削

この工程を繰り返しながら、所定の深さまで進めます。


施工手順を動画で確認

次の動画では、杭芯出しから掘削、鉄筋かごの建て込み、コンクリート打設まで、オールケーシング工法の一連の流れ がまとめて紹介されています。

参考動画 オールケーシング工法 施工すべてが分かる(場所打ち杭編)

施工の順番や各工程のつながりを、全体像として把握したい方に参考になる動画です。


④ 所定の深さまで到達

  • 支持層に到達したか確認

  • 地盤状況のチェック

設計どおりの支持力が確保できるかを確認します。


⑤ 鉄筋かごの建て込み

掘削完了後、

  • 組み立てた鉄筋かごを

  • ケーシング管の中へ静かに挿入

杭の「骨組み」となる重要な工程です。


⑥ コンクリート打設

  • 鉄筋の周囲にコンクリートを流し込む

  • 空気や水が混入しないよう慎重に施工


⑦ ケーシング管の引き抜き

コンクリートを打設しながら、ケーシング管を少しずつ引き抜く ことで、地中にコンクリート杭が完成します。


オールケーシング工法のメリット

① 地盤が非常に安定する

最大のメリットは、掘削中に地盤が崩れにくくなることです。

  • 軟弱地盤

  • 砂質地盤

  • 地下水の多い場所

でも、ケーシング管で孔壁を全周にわたって支えることで、地盤を安定させながら施工しやすい工法 と言えます。


② 地下水対策に強い

ケーシング管を全長にわたって使用することで、

  • 地下水の流入を抑えやすい

  • 孔壁の崩壊を防止しやすい

といった特徴があります。

ただし、地下水位や地盤条件によっては、孔内水位管理などの施工管理が重要になる点には注意が必要です。


③ 周囲への影響が小さい

  • 地盤沈下

  • 周辺建物への影響

比較的抑えやすいため、都市部や住宅密集地でも採用されることが多い工法です。


④ 杭の品質が安定しやすい

  • 杭径が一定になりやすい

  • 孔壁が崩れにくい

結果として、設計どおりの品質を確保しやすい杭 を施工できる点も、オールケーシング工法の大きな利点です。


施工全体を短時間で見る動画

次の動画は、オールケーシング工法による杭工事を タイムラプス(早送り) でまとめたものです。

[YouTube動画]杭工事(全周回転式オールケーシング)タイムラプス

工事全体の進み方やリズムを短時間で把握したい方に向いています。


オールケーシング工法のデメリット

  • ケーシング管や専用機械を使用するため、工事費が比較的高くなる

  • 工程が多く、現場条件によっては工期が長くなる場合がある

  • 回転・圧入作業により、条件によっては騒音や振動が発生することがある

安全性や品質を重視する工法である分、コストや工期とのバランスを考慮して採用されます。


他のケーシング工法との違い

  • オールケーシング工法
     → 全深度でケーシング管を使用

  • 一部ケーシング工法
     → 必要な区間のみ使用

安定性や安全性を最優先する場合、オールケーシング工法が選ばれることが多いです。


まとめ|オールケーシング工法は「安全性重視」の基礎工事

  • ケーシング管で全周を支えながら掘る工法

  • 地盤が崩れにくく、地下水の影響を受けにくい条件をつくりやすい

  • 都市部や軟弱地盤で多く採用される

  • コストは高めだが、安全性と品質に優れる

オールケーシング工法は、「確実で安全な基礎をつくるために選ばれる工法」 と言えるでしょう。


スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

Verified by MonsterInsights